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2021.08.15
内容証明はただの手紙
「内容証明郵便」という言葉は何だか物騒です。「つける」という言葉が「投げつける」を連想するのか、「内容証明を送りつけた」と聞くとさらに攻撃的な印象がありますね。
しかし、内容証明郵便は、ただの手紙です。どんな内容が送られたのかが証明されるものに過ぎません。あとで言った言わないの争いがおきないようにできる、これが利点です。我々弁護士がこれを使うのは、契約の解除や損害賠償請求など、確実に法律的な効果を発生させることを目的とすることがおおいからです(だから物騒に思われているのかもしれません)。
また、法律上、契約の解除等の意思表示は、相手に到達しなければならないのが原則です。そのため、配達されたことが証明できるよう、配達証明付内容証明郵便を送付します。
内容証明郵便は、宅配便と同様、相手が配達員から受領することが必要で、不在の場合郵便受けには配達されません。受領してもらえないまま一定期間が経過すると返送されます。せっかく作成した内容証明郵便が、相手に届かず戻ってきてしまう場合もあるのです。意思表示の到達は、相手方が読む読まないにかかわらず、相手方の支配領域に入れば到達されたとみなされる余地があるのですが、スムーズな紛争の終局的解決を目指すならば、こちらの考えは相手にしっかりと伝えておき、かつ、伝えたという証拠は残しておきたいものです。
そこで、私の場合は、配達証明付内容証明郵便に加え、同文の書面をレターパックライトでも送付しておくことがあります。内容証明郵便の本文にも、「同文をレターパックライトでも送っています」と記載しておきます。レターパックライトはインターネットから配達状況が追跡可能で、かつ、内容証明郵便とは異なり相手の郵便受けに配達されるので、相手が受領しないで戻ってきてしまうということがありません。